Best of Fight 2007

今年、幾つかの世界タイトルマッチを取材する機会に恵まれた。

その中でも忘れられない試合がある。

2007年 7月17日 WBC世界フライ級タイトルマッチ

内藤大助×ポンサクレック・ウォンジョンカム

過去二度の敗戦を乗り越え、世界王座を奪取した内藤大助。

後に行われる亀田大毅との対戦相手という扱いで、注目を浴びた内藤だが、

この試合で見せた勇敢な姿は、ボクシングに対する誇りを感じさせた。

最短男が世界の頂点に上り詰めたその瞬間、超満員の後楽園ホールは、

内藤コールに包まれた。

私は望遠レンズをカメラマン席に置き去りにしたまま、リングサイドに駆け寄り、

内藤にレンズを向けると、ファインダーの中に涙を流す男の姿を捉えた。

私は大きく震える心を抑えながらシャッターを押し続けた。

三度目にして、内藤は「壁の向こうにあった」チャンピオンベルトを手に入れたのだ。

今年、最高のファイトを見せてくれた内藤選手に心から感謝している。

Photo by Yusuke Nakanishi/AFLO SPORT



中西祐介プロフィール

1979年 東京生まれ

東京工芸大学 芸術学部 写真学科 卒業

講談社写真部 勤務を経て、現在、アフロスポーツに所属。

ボクシングをはじめとするスポーツ現場から人物ポートレートまで、幅広く活動中。

同時にF・Iボクシングジムのオフィシャルカメラを担当。


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