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無実の罪で43年間もの長きに渡り今なお牢獄に繋がれている元ボクサーの袴田巌さんの映画が現在製作中だ。
この映画に関しては、金子ジムの私の先輩であり、袴田さんをなんとか救い出したいと熱い支援活動を続けている福井英史氏から紹介してもらった「雨宿り 富士山の麓」というブログに非常に詳しく書かれている。
このブログの発信者である夏井辰徳氏が、義憤に駆られて今回の袴田さんの映画を脚本された。
いわゆる「袴田事件」に関しては二年前にこの拳跡集の「やり残した仕事」に、なぜ袴田さんが無罪だと断言出来るのかを詳しく書いたのでここでは繰り返さないが、今もその気持ちはまったく変わらない。
何も悪い事をしていない人間が43年間も小さな窓しかない2畳程の独居房に入れられている事実に、どうすれば目を背き耳を塞ぎ無関心を装えるのか?
検察が起訴した事件は99.9パーセント以上の確率で有罪になる。
これは実に恐ろしい数字だ。
検察が事件だと認めれば、例え完全に無罪だとしても、裁判官はほぼ間違いなく有罪にするという事なのだから。
これで冤罪が起きない方がおかしい。
検察官と裁判官が同族意識を持ち、ボクシングの統括団体のトップとジャッジが裏で通じ合っている事を知らずに、彼らの出す不当な判決や判定を何の批判もせず唯々諾々と無条件に受け入れるという事は、何の罪も無い無実の人間や、勝ってチャンピオンになっていたはずのボクサーを見捨てて見殺しにする事になるのだ。
もし自分が何らかの事件に巻き込まれ、まったくの無実だとしても、犯罪者の汚名を被り刑務所に入ってもいい、支援活動もけっこう。そう言える人は袴田さんの事に無関心でも構わない。しかし、そうじゃない人はいわゆる「袴田事件」に関心を持ってもらいたい。
袴田さんはリングへのカンバックを目指していた30才の時に事件に巻き込まれ、殺人者の汚名を着せられてかわいい盛りの3才の息子さんから無情にも無理矢理引き離された。
どれだけ悔しくて胸が引き裂かれただろうか・・・・・・。
そして生き別れになった息子さんが20才になって成人した時に、当時47才だった袴田さんが獄中から切々と語りかける様に送った手紙がある。
息子よ。
どうか直く清く勇気ある人間に育つように。
そして、お前の友達からお前のお父さんはどうしているのだと聞かれたら、こう答えるが良い。
僕の父は不当な鉄鎖と対決しているのだ。
息子よ、お前が正しい事に力を注ぎ、苦労の多く冷たい社会を反面教師として生きていれば、遠くない将来にきっとチャンは、懐かしいお前の所に健康な姿で帰って行くであろう。
そして必ず証明してあげよう。
お前のチャンは決して人を殺していないし、一番それをよく知っているのが警察であって、一番申し訳なく思っているのが、裁判官であることを。
チャンはこの鉄鎖を断ち切ってお前のいる所に帰っていくよ・・・・・・。
「雨宿り 富士山の麓」には文字通り富士山の麓に住む者にしか撮れない四季折々の見事な富士山の写真が綴られている。
静岡県出身の袴田さんは富士山の姿を何度と無く眺めたはずだ。
昔となんら変わる事無く雄大にそびえ立つ富士の山を、もう一度袴田さんに見てもらいたい・・・・・・。
「BOX−袴田事件ー命とは」この映画は5月に公開される。 |