『”異種目”という見解を。』
アマとプロの溝はレベルの差ではなく、歴史を重ねるごとにズレ続けるルールの違いだと思う。しかも、その改正の度に共通性は毎回失われ続けている。今日、アマエリートが昔よりもプロのリングで活躍出来ない。しかしこれがレベルの差なら、プロの選手がアマの全日本選手権に出ても活躍出来るはずだが、筆者は、プロの日本王者クラスでも、そう簡単には、準決勝まで勝ち残ることが出来ないと思う。むしろ、アップライトスタイルで、3ラウンド制のボクシングトレーニングを積んだキックボクサーの魔裟斗選手の方が、よっぽど順応は楽なはずだ。
「コンピューター採点になってからインターハイで勝つ戦い方が変わって来た。これからプロに行く高校生は大成しにくい」と言われている。今、プロボクシングとアマチュアボクシングは、類似した異種格闘技として捕えて欲しい。いまだ同種と見るところに、現在ハマりがちな多くの落とし穴がある。また、その趨勢の中での粟生隆寛のチャージ能力は、もっと高く評価すべきだと思う。
大学時代、リーグ戦の補欠だった選手が、敗れたプロデビュー戦を感慨深く振り返った。
「練習で日本ランカーとやっても、『あれ?俺、行けるぞ』って思った。だけどリングに上がったらもう全然違った。戦争みたいだったよ。剣道の試合と真剣の殺し合いみたいな差があった」
2戦目からその選手は強烈な気迫で相手に立ち向かう様になった。
基本的にアマチュア選手は、少ないラウンドでのスパーリングに強い。もとい、有利なだけだ。ハイテンポで当ててスタミナをきっちり使い切る。逃げ切る。その間に本番で受けてはいけないパンチをもらいながら、自分のペースをつくっている場合もある。だから判断基準になりにくい。
初めてプロとスパーリングをすると、”頭”に面食らって打ち込まれるが、それに慣れさえすれば5〜6の実力がある選手が10の実力の選手と、少なくとも中間距離では存分に譲り合えてしまう。プロとアマの各々の試合での戦いぶりを見て「これならこっちが…」と予想すると、意外とそうでもない結果が待っている。ただ、それはスパーリングがアマチュアの試合に近いだけで、 |
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必ずしも実力と直結はしないだろう。だからプロに転向したアマ選手が、スパーリングが弱くなるのは、案外望ましいことだとも思っている。
アマ選手は、プロに転向するのなら、自分を初心者と認識し、様々な自分のスキルにもう一度「?」をつける柔軟な思考が必要なのではないだろうか。そして進んで試合会場に足を運ぶべきだ。自分はアマチュアの技術を”生かして”いるのか、それとも”徹して”可能性の幅を狭めてしまっているのか。まずは否定的に見つめ直し、自分を信じるのは、とりあえず最後の最後でいいと思う。
来月は筆者なりに具体面について触れたい。
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